パーフェクトクリスマス

クリスマスの日は、子供達と、その友達を連れて上野まで行ってきた。

目的の場所は、ミイラの安置されている国立博物館だ。

昼前に到着したので、まずは用意してきたお昼ご飯を上野公園で食べる。


しかし、子供達は早速遊び始めて、埋め込まれている石をジャンプ台にしてマリオになっていた。

飛び跳ねるたびに、ぴょぉんって音が聞こえてくる気がする。

ひとしきり遊んだ後、国立博物館に入ると、東洋館が閉鎖されている事実を知った。

目的のミイラが展示されているのは、この東洋館である。

今日もまた、完璧なパパぶりを発揮してしまった俺は、ミイラを観れないと知った子供達から大ブーイングを浴びせられた。

こういった場所で、楽しみにしていたものを見られなくなると、子供達に与えるダメージは大きい。

「パパのウソつき」

そんなことまで言われる始末だ。

「ミイラが観られないなら、パンダが観たい」

博物館に対する興味を半減させた子供達は、それを逆手にとって、パンダのいる上野動物園に行くことを画策しはじめた。

こうなると、俺に逃げ道はない。

博物館を早々に出て、動物園に入った子供達は、一目散にパンダを目指した。


タイミングよく、食事中のパンダを観れたことに、子供達も興奮している。


さらには、クマやゴリラの給餌シーンをはじめ、息子ちゃんが大好きなコウモリの餌やりという貴重なシーンもみることができた。

「博物館は退屈だったけど、はじめに行っといてよかったね」

たまには、完璧もいいもんだ。