ウチの店のシフト表には、ゴミ出しの日が記入してある。
可燃ゴミの日は「可」、資源ゴミの日が「資」、不燃ゴミの日を「不」として表記しているものだ。
先日、スタッフのアイミに「今日、ゴミある?」と尋ねると、彼女はシフト表を確認してから「はい、あります」と答えた。
ゴミを出すにも、それだけの情報では足りない。
なので「何ゴミ?」と更に尋ねると、彼女は言った。
「木です」
「へ? なんだって?」
何を言っているのかわからず、もう一度聞き返す。
「木です……」
「木? そんなゴミはないぞ。君は何を言っているんだ……」
なんとなく面白くなって、黒目がちな大きな目を潤ませて動揺するアイミを、今一歩問い詰めてみる。
「あれ? あの、この木みたいな漢字、なんて読むんですか?」
ここで不燃ゴミの日だと理解した俺は、アイミが本気で言っていることに驚愕しつつ、それが不燃ゴミを意味する「不」の字であることを説明した。
「ああ、なんだあ…。そりゃあ、そうだよなあ、木なんてゴミはそんなに出ないし……あはは……」
ウチのアイミも完璧だ。
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