高齢者による万引きは、真意を図りしれないことが多い。
先週捕まえた七十代の男性被疑者もそうだった。
その被害品は、こちら。
事務所に連行して身分を確認すると、なかなかの会社で相談役を務めているらしく、金には困っていないという。
それなのに、なぜ犯行に及んでしまうのか。
犯行理由を尋ねてみると、満面の笑みを浮かべた彼は、友達に配って喜んでもらいたかったと答えた。
茶葉ばかり狙った理由を聞けば、自分が好きだからという。
自分の好きなモノを盗んで、それを友達にあげて喜んでもらおうと考える思考が、まるで理解できない。
警察に引き渡すと、前科五犯であることが判明した彼は、三十万円の罰金を支払わされたばかりだという。
そうした事情から、今回は逮捕されることになった。
自分の父親より高齢である被疑者の両手に、手錠がかけられる光景をみると、いつも心が痛む。
これに懲りて、やめてくれればいい。
そう願うが、本人に反省の色はなさそうだ。
高齢者の万引きを食い止めるには、どうしたら良いのだろう。
謎は無限に広がっている。