親愛なるK先生と年越しを過ごすという定番の企画が、自分の都合で流れてしまったために、今年は元旦の夜を共に過ごしていただきました。
しばらくのあいだ居酒屋を求めて池袋の街を彷徨い歩きましたが、新年早々から営業している店は少なく、たまたま見つけた見知らぬ居酒屋に入ります。
が……、
注文したものをひとくち食べたところで、翌日の腹具合が気になり即退店。
再度、街を彷徨いみつけた二軒目の居酒屋に移動します。
こちらもなんとなく危うい雰囲気が漂っておりましたが、もう移動するのは面倒なので、間違いのない酒を瓶で頼んで正月の夜を過ごすことにしました。
そこそこの量を飲んで店を出た後は、締めの食事を求めて東口を彷徨うも、めぼしい店は見当たらないので西口まで足をのばします。
ようやく見つけたラーメン屋に入ったところで、顔色を変えたK先生が言いました。
「あ、前の店にストール忘れてきちゃった! マズイなあ……。新年早々、よりによって伊東さんの前で完璧なことをしてしまうとは……」