プライベートで大きな取引があり、地元の銀行に送金伝票を書きに行きました。
いつもネットバンクで用を済ませているので、伝票を書くのは久しぶりのこと。
少し面倒に思いながら、これが当たり前だった昔のことを思い出しつつ、懐かしい気分で伝票を書きます。
その日の夕方、銀行の担当さんから電話がかかってきました。
「伊東さん、払い出し伝票と送金伝票の金額が間違っているので、もう一度いらしていただけますか?」
なにをやっているのか、振込手数料を含めた金額と含めない金額を書いてしまったようで、出勤前に立ち寄ることになりました。
「お手数かけて、すみませんでした」
翌朝、少し早めに家を出て、伝票を修正してから現場に向かいます。
まもなく到着という段階で、またしても銀行の担当さんから電話がかかってきました。
「伊東さん、すみません。出金口座の口座番号が間違がっていたので、出金できません。恐れ入りますが、もう一度ご足労ねがえますか……」
自分が記入した番号を尋ねると、なんの気なしにメインバンクの口座番号を書いてしまったらしい。
たった一件の送金手続きのために、三回も銀行に行く羽目に陥るとは……。
今日の俺も、完璧だ。