とある方からご招待いただいたので、K-1WGPを観に、両国国技館まで行ってきた。
久々に行われるK-1興行は、いまは亡きアンディ・フグの十三回忌追悼興行でもある。
試合前に行われたセレモニーでは、隣に座る村上竜司塾長が、フグのかかと落としをもらって敗れた試合のダイジェストが繰り返し流された。
もちろん、なんとなく気まずい。
しかし、そんな空気を察したのか、感慨深げに微笑んだ塾長は、不意に俺の肩を掴んで言った。
「ワシがやられた試合、さっきから何回も流されてるんだよなあ。ワシに断りもなく、何度も使うんだよ。フフッ……」
塾長の笑みに、ホッと胸を撫で下ろす。
「アンディはいい奴だったからなあ。いま生きていたら、スペシャルマッチで、もう一度やりたいよ……」
まだ試合は始まっていないのに、我が師の言葉に痺れた俺は、叶うことのないドリームマッチを妄想した。
このことだけでも、来て良かったと充分に感じられたが、さらには大好きな影野先生もいらっしゃったし、映像作品の監督、プロデューサー、バッドボーイズの佐田さんとも再会を果たせた。
撮影時のメンバーをみて、どこか懐かしげな気持ちになる。
それに、いつもお世話になっているHさんやYくん、獄パの編集長であられるTさんとも会えた。
試合を観にきたというより、気分はもう、同窓会である。
肝心の試合は、期待していた梅野源治選手が敗れる波乱はあったものの、その他は順当といえる結果であった。
客入りからすれば、K-1復活の道は険しいと思われるが、魔裟斗EPの手腕と新しいスターの誕生に期待したいと思う。
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