高速を乗り継ぎ、小田原で腹ごしらえをすませた俺達は、箱根ターンパイクへと向かった。
DIAVELは大きなバイクなので、あまり曲がらないかなと、一抹の不安を覚える。
ところが、山道に入ってからも、意のままに走らせることができた。
タイヤを削りながら走るような、そんな不思議な感覚も気持ちよい。
次の目的地である赤沢の日帰り温泉館に行くために、大好きな伊豆スカイラインも走ったが、気温以外のストレスを感じることはなかった。
日帰り温泉館で温まった俺達は、伊東にあるお気に入りの店、開福丸を目指してシーサイドラインを走る。
そして、お決まりになりつつあるアジフライとキンメを食し、ご満悦状態で帰路についた。
今回のツーリングは、忘れ物をすることもなく、立ち寄った店もすべてやっていたので完璧な事象は起こらなかった。
「最高な一日だったから、ちょっとワインでも飲みましょうよ」
年末の試合に勝ったことで、今回の費用をK君に負担してもらえたMは、いつにも増して上機嫌だ。
そして、家に帰ると、スタッフから素敵な贈り物が届けられていた。
美味そうな甲州ワインである。
ありえないほど出来過ぎた一日に、すっかり舞い上がった俺達は、ガッツリと飲んで泥酔してしまうのであった。