一昨日から、高松に来ています。
今回は、飛行機で参りました。
空港に到着してからは、リムジンバスに乗って、市内のホテルに向かいます。
トランクスペースにカバンを置き、ケツのポッケにある財布を、前席の背中についているネットに入れて席に着く。
車中では、一時間後に予定される講演の台本を読み返したり、サイトチェックやTwitterで過ごした。
およそ三十分後、ホテル前のバス停に到着。
チェックインまで時間があるので、重いカバンをクロークに預けて会場に向かう段取りだ。
予定通りに動けば、喋る前にひと息つけるし、簡単な打ち合わせもできる。
そんな予定でいた。
ホテルのロビーに設置されたテーブルに重いカバンを置き、手帳や台本を取り出そうとチャックを開いた瞬間、自分の身体から血の気が引いていく音がした。
財布がないのである。
ネットに入れた状態の財布が脳裏に浮かび、とっさに振り返ると、バスはまだ停留所に停まっている。
慌てて走り出すと同時に、バスが逃げるように走り出す。
道が広く空いているので、全力で走っても追いつける速度にない。
完璧な展開に苦笑いしつつ、タクシーを待つ。
イライラしながら待つこと数分、ようやくに空車がやってきた。
終点の駅に向かって、タクシーを走らせる。
駅に着くと、バスターミナルには七~八台のバスが停まっており、自分の乗ってきた車輌がわからない。
仕方なく、一番近くにいるバスの運転手さんに声をかけて事情を説明すると、すぐに無線で調べてくれた。
財布発見。
シャレになる完璧でよかったと安堵していると、運転手さんが俺の財布を片手に走って来るのがみえた。
その優しさに、心震える思いがする。
ことでんバスの運転手さん、その節は、ありがとうございました。
ご迷惑かけて、申し訳ありません。
今日の俺も完璧なのである。